産学連携で取り組む
α-EG研究

地肌と髪を健やかに美しく保つ、
日本酒由来の保湿成分α-EGの研究

「日本酒を仕込む杜氏の肌は美しい。」この事実は経験的に古くから知られてきました。その美肌効果の要因となっていたのが、日本酒独特の保湿成分「α-EG(α-エチル-D-グルコシド)」です。金澤MOYUはこのα-EGの優れた保湿効果に注目し、α-EG研究の第一人者である尾関健二教授(金沢工業大学)に協力を要請。研究の結果、全国に流通する大手メーカーの日本酒に比べて石川県の地酒にはα-EGが多く含まれていること、またα-EGがもつ新たな保湿機能を発見し、さらにα-EG増産技術の開発にも成功しました。

石川の地酒の力、
α-EGの効果を多くの方々に実感してほしい。

α-EGには以前から優れた保湿効果が認められていましたが、今回の研究により低濃度・短時間の使用においても高い効果が得られることが発見されました。同時に、石川県の地酒には全国ブランドの日本酒に比べて倍近い量のα-EGが含まれることも明らかになり、また環境に優しい方法、実用的なコストでこのα-EGを増産する技術も開発されました。金沢工業大学では、現在も、醸造技術の産業化に多大な貢献をし、石川県にも縁の深い高峰譲吉博士にちなんだ「高峰譲吉プロジェクト」のメンバーが中心となってα-EGの研究を続けています。今後も美容産業をはじめ多彩な分野でα-EGを活用した新商品の可能性は高まっていくことでしょう。これらの商品を通じて、全国の方々に石川の地酒の力、α-EGの保湿効果を実感していただきたいと考えています。

尾関健二教授/金沢工業大学・バイオ・化学部 応用バイオ学科担当/ゲノム生物工学研究所 研究員

尾関 健二 教授 金沢工業大学・バイオ・化学部
応用バイオ学科担当
ゲノム生物工学研究所 研究員

研究の成果

新たに発見された
α-EG」の2つの保湿機能

  • 低濃度・短時間でも
    速効性の高い保湿効果

    α-EGには、日本酒に含まれる0.5%程度の濃度で長期使用することによる保湿効果が従来から認められていた。 今回の研究により、0.01%の低濃度・15分〜120分という短時間であっても速効性のある水分保持機能を持つことが発見された。

    α-EG含有発酵物等塗布120分後の角質水分量の推移
  • 線維芽細胞を増やし
    コラーゲンの生産を促進

    皮膚の真皮内で保湿効果を発揮するコラーゲンは、真皮層の線維芽細胞によって作られている。α-EGは0.00001%という非常に低濃度であっても、塗布や飲用によりこの線維芽細胞を増やしてコラーゲンの生産を高める機能があることが発見された。

    塗布・経口摂取によるα-EGの機能性

石川県純米酒はナショナルブランドに比べα-EGを1.4倍含有

  • 酒母をたてているか、たててないかの違いで
    α-EG含有量に変化。
    ● ナショナルブランド/平均2~3日程
    ● 石川の酒造メーカー/約2~3週間

    酒母(しゅぼ)とは・・・
    日本酒醸造の為に蒸した米・麹・水を用いて優良な酵母を培養したもの。
    酒母の製造には、乳酸菌に乳酸を作らせる「生もと」「山廃もと」または、あらかじめ乳酸を加えておく「速醸もと」などの方法があります。

    石川県とナショナルブランド純米酒のα-EG含有量の比較

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2015年9月の国連本部で開催された「国連持続可能な開発サミット」において、全会一致で採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」。「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、17の目標と169のターゲットが掲げられました。
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